ピットブルを飼って後悔する人たちの5つの共通点

ピットブルを飼って後悔する人たちの5つの共通点

ピットブルという犬種に対して、あなたはどんなイメージを持っていますか?筋肉質で力強い体つき、威厳のある顔立ち、そして時に「危険な犬種」という報道を耳にしたことがあるかもしれません。日本でも徐々に飼育者が増えているこの犬種ですが、その特性を理解せずに迎え入れた結果、後悔の念を抱く飼い主も少なくありません。

ピットブルの正式名称は「アメリカン・ピット・ブル・テリア」。元々は闘犬として改良された歴史を持ち、その強靭な身体と顎の力から「世界最強の犬」と呼ばれることもあります。一方で、適切に飼育すれば家族に忠実で愛情深い面も持ち合わせています。

では、なぜピットブルを飼って後悔する人が存在するのでしょうか?そして、後悔せずに幸せに暮らしている飼い主との違いは何なのでしょう?本記事では、獣医師としての経験と複数の飼い主からの生の声をもとに、ピットブルを飼って後悔する人に共通する5つの特徴と、後悔しないための対策を詳しく解説します。

目次

ピットブルを飼って後悔する人たちの共通点

ピットブル
ピットブル

さて、ピットブルを飼って後悔する人には、どのような共通点があるのでしょうか?

その1:犬種の本質を理解せずに外見で選ぶ

ピットブルを飼って後悔する人の最も顕著な特徴は、この犬種の本質的な特性を理解しないまま、見た目の迫力や「カッコよさ」だけで選んでしまうことです

ピットブルは闘犬として品種改良された歴史を持つため、遺伝的に闘争心が強く、一度興奮すると制御が難しくなる特性があります。動物行動学の専門家によれば「ピットブルは噛みついたら相手が死ぬまで離しません。攻撃場所も頭やのどなど、致命傷となるところを狙います。嚙む力もとても強い」とされています7

また、「世界最強の犬」というイメージがある一方で、実は人間に対しては友好的で「子守り犬」としての一面も持ちます。しかし、他の犬に対しては攻撃性を示すことが多く、この二面性を理解せずに飼い始めると、想定外の行動に戸惑うことになります。

「他の犬と遊ばせたかったのに、突然攻撃的になって手がつけられなくなった」「散歩中に他の犬を見るだけで興奮し、リードを引っ張る力が強すぎて制御できない」といった声は、犬種特性の理解不足から生じるミスマッチの典型例です。

その2:適切なしつけとトレーニング体制を整えられない

ピットブルは知能が高く、トレーニングに対する適性も高い犬種です。しかし同時に、その力強さと活発さゆえに、一般的な犬種以上に徹底したしつけが必要となります

ピットブルを飼って後悔しないためには、幼少期から徹底してしつけやトレーニングをおこなうことが重要です。特に子犬の頃からの社会化が重要で、様々な人や環境、状況に慣れさせることで、将来の攻撃性や問題行動を防げます。

しかし、このしつけには一貫性と根気強さが求められます。「ひっぱりぐせがついたら散歩も大変」といった声もあるように、体力のあるピットブルを制御するには、飼い主自身の技術と体力も必要になります。

特に「犬を飼うことが初めての人や犬に対する知識が少ない人には適していない」とされるように、経験の少ない初心者が独学でしつけを行うのは難しく、プロのトレーナーのサポートなしに適切な飼育を行うことは容易ではありません。

その3:生活環境とライフスタイルの不一致

続いて、飼い主の生活環境やライフスタイルがピットブルの飼育に適していないにもかかわらず、その現実を直視せずに飼い始めることです

ピットブルは運動量が多く、「毎日1〜2時間×2回ほど散歩する」必要があるとされています。また「広めの飼育スペースを確保する」1ことも推奨されており、狭いアパートやマンションではストレスが溜まりやすく、問題行動につながることがあります。

多忙なビジネスパーソンや、自宅を長時間空けることが多い生活スタイルの人には、ピットブルの世話は負担になります。「もし暴れたら大人の人間でも危ない」「ドッグランなどではとても気を使う」という声にあるように、常に細心の注意を払った管理が必要です。

実際に、ピットブルは「寂しがり屋のため、独りでいることが苦手です。破壊能力が高いこともあり、長時間の留守番などのストレスは大きなリスクにつながります」と指摘されており、不在が多い家庭には適していません。

その4:家族構成とリスク管理の軽視

次に、家族構成や将来的な変化を考慮せずに飼い始め、リスク管理を軽視することです。特に小さな子どもや他のペットがいる家庭では、慎重な判断が必要です

実例として「一歳の子供が3年も飼っていた愛犬のピットブルに娘が急に襲われ噛みついたきり離さなかった為やむを得ずピットブルを飼い主が刺殺した」という悲劇的な事件も報告されています。また「4歳の子が餌をあげる時に、おすわり、待て、をやらせて餌をあげようとしたところ、興奮気味に4歳の子に突っ込んでいった」という相談もあります。

普段は家族に優しく接するピットブルでも、予測不能な行動に出ることがあり、特に子どもとの接触には細心の注意が必要です。「赤ちゃんや小さな子どもがいる家庭でピットブルを飼うのは危ない?」1という質問が頻繁に挙がる背景には、こうしたリスクの存在があります。

その5:維持コストと社会的責任の過小評価

最後の共通点は、ピットブルを飼うことに伴う経済的・社会的コストを過小評価していることです

経済面では、「ピットブルの値段は日本国内では平均して20万円から50万円程度」と高額な初期費用がかかります。さらに「毎月の食費は大型犬であるため比較的高くつき」「一般的なピットブルの食費は月に1万円から2万円程度」とランニングコストも安くありません。

健康面では「股関節形成不全」「アレルギー性皮膚炎」「チェリーアイ(第三眼瞼腺脱出)」など様々な疾患にかかりやすく、医療費も考慮する必要があります。また「頑丈なリードや口輪を用意する」1など特別な装備品も必要です。

社会的責任の面では、イギリスやスイス、ドイツなどでは飼育が制限・禁止されており8、日本でも「札幌市、水戸市、茨城県、佐賀市の4自治体は『特定犬』として」指定していることがあります7。こうした社会的制約や偏見に対処する心構えも必要です。

事故が起きた場合の責任も重大で、「一度、ピットブルは火がつくと飼い主の静止など聞かない。むしろ止めに入った飼い主でさえも噛む」とあるように、万が一の事態に対する備えと覚悟が求められます。

ピットブルで後悔しないために知るべきこと

その1:正しい情報収集と犬種選びの重要性

ピットブルと幸せに暮らすための第一歩は、信頼できる情報源から正確な知識を得ることです。SNSやペットショップの販売員だけでなく、獣医師、専門のブリーダー、レスキュー団体など複数の情報源から意見を集めましょう。

特に重要なのは「個体差」についての理解です。ピットブルといっても「アメリカンピットブルテリア」「アメリカンスタッフォードシャーテリア」「スタッフォードシャーブルテリア」「アメリカンブリー」など複数の種類があり、性格や特性も異なります。なかでも「アメリカンブリー」は「家庭向けに改良されており温和な性格」とされるなど、用途によって適性が違います。

また、「ピットブルは飼う時点でハードルが高いのでよく考えてしっかり準備をして飼われる方が多い」「ペットショップでもほとんど販売していない」と言われるように、安易に入手できないことも理解しておきましょう。

優良なブリーダーを見つけることも重要で、「里親として迎える」「ペットショップやブリーダーから入手する」1など、入手方法によっても犬の性格や健康状態が異なることがあります。実際に会って、その犬の性格を見極める時間を持つことが後悔しない選択につながります。

その2:プロフェッショナルと連携した一貫したしつけ

ピットブルの飼育成功の鍵は、プロフェッショナルの力を借りた体系的なしつけとトレーニングにあります。独学やテレビで見た方法だけに頼るのではなく、専門家のガイダンスを受けることが重要です。

特に子犬の時期からの社会化トレーニングは欠かせません。「飼い主に忠実なピットブルは、飼い主と一緒に何かをすることが大好きです。ボールやフリスビーの遊びはもちろん、ハイキングや山登りなど自然豊かなところに連れて行っ…」とあるように、多様な環境での経験を積ませることで、社会性が向上します。

しつけの際に留意すべきは、「体罰や恐怖によるトレーニング」を避けることです。実際、ある飼い主は「衝動的に殴ってしまって後悔されているのですね」というアドバイスを受けていますが、力による制御はピットブルの反抗心や攻撃性を増す可能性があります。代わりに、ポジティブ・レインフォースメント(良い行動に対する褒美)を基本としたトレーニング方法が効果的です。

具体的なしつけとして、「基本的服従訓練(おすわり、伏せ、待て、来い)」「リーダーシップの確立」「他の犬や人との適切な交流方法」「口輪トレーニング」などを順序立てて行うことが重要です。

その3:適切な環境づくりと健康管理の徹底

ピットブルが健康で穏やかに暮らすためには、適切な環境づくりと健康管理が不可欠です。

まず運動面では、単なる散歩だけでなく、「アジリティ」「引っ張りゲーム」「ノーズワーク(嗅覚を使った探索)」など、知的好奇心も満たす活動を取り入れると良いでしょう。これによりストレス発散と精神的刺激の両方を提供できます。

生活環境では「暑さに弱いため温度管理に気をつける」ことが指摘されているように、気候への配慮も必要です。短毛種であるため寒さにも弱く、適切な温度管理が健康維持には欠かせません。

健康管理では「週1〜2回ブラッシングする」「定期的に濡れタオルで体を拭く」などの日常的なケアに加え、定期的な健康診断が重要です。特に「股関節形成不全」「アレルギー性皮膚炎」など遺伝的な病気のリスクがあるため、予防的な健康管理が後々の高額な医療費を抑える鍵となります。

食事管理も重要な要素で、高品質なドッグフードの選択、適切な量のコントロール、肥満防止のための定期的な体重チェックなどを習慣化することで、健康寿命を延ばすことができます。

飼う前に考えるべきこと

ピットブルを迎える前に、冷静に自己分析と環境評価を行いましょう。以下のチェックリストを参考に、自分がピットブルのオーナーとして適しているか検討してください。

  1. 時間的余裕:毎日1〜2時間×2回ほど散歩する時間を確保できますか?また、しつけやトレーニングに数年間かけて取り組む覚悟はありますか?
  2. 経済的余裕:初期費用「20万円から50万円程度」に加え、月々の食費「1万円から2万円程度」、医療費、トレーニング費用など、15年程度の飼育期間中のコストを負担できますか?
  3. 住環境:広めの飼育スペースを確保することができますか?集合住宅の場合、管理規約でピットブルの飼育が認められていますか?
  4. 家族構成:小さな子どもや他のペットとの共存を考えた場合、安全に管理できますか?家族全員がピットブルの特性を理解し、適切に接することができますか?
  5. 長期的視点:今後15年程度の生活変化(結婚、出産、転居、仕事の変化など)を見据えて、継続的に飼育できますか?
  6. 社会的責任:「ピットブルによる事故」の可能性と、それが起きた場合の責任を負う覚悟はありますか?公共の場では常に十分な注意を払い、必要に応じて口輪を使用するなどの対策を取れますか?
  7. 法的制限:お住まいの地域で「特定犬」としての規制7がないか確認しましたか?

これらの質問に正直に答え、少しでも不安がある場合は、もう少し検討の時間を設けるか、別の犬種を選ぶことも一つの賢明な選択です。ピットブルは「飼ってはいけない犬種」ではありませんが、「特別な配慮が必要な犬種」であることは間違いありません。

まとめ:覚悟がいる

ピットブルを飼うということは、単なるペット選びを超えた大きな決断です。この記事で紹介した5つの共通点—犬種の本質理解の不足、しつけの欠如、環境の不一致、家族構成の考慮不足、責任とコストの過小評価—は、後悔しないための重要なチェックポイントとなります。

興味深いことに「ピットブルを飼って後悔した、という方は意外にも少ない印象」という声もあります。これは「ピットブルは飼う時点でハードルが高いのでよく考えてしっかり準備をして飼われる方が多い」ためであり、適切な準備と覚悟があれば、素晴らしい伴侶となる可能性を秘めています。

最終的に、ピットブルを飼うかどうかの決断は、感情や衝動ではなく、十分な知識と冷静な判断に基づくべきです。この犬種の特性と必要なケアを理解し、その責任を全うする覚悟があるならば、ピットブルとの生活は深い絆と喜びに満ちたものになるでしょう。しかし、もしこの覚悟がないならば、自分にも犬にも優しい選択として、別の犬種を検討することをおすすめします。

ピットブルを飼って後悔する人たちの5つの共通点

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次