ピットブルがムキムキの筋肉質な理由と闘犬として生まれた背景を解説

ピットブルがムキムキの筋肉質な理由と闘犬として生まれた背景を解説

闘犬の歴史を背負い、一部では「危険犬種」というレッテルを貼られることもあるピットブル。その独特な筋肉質の体つきは、単なる偶然ではなく、歴史的な品種改良の結果です。

攻撃性の高いイメージが先行しがちですが、適切なトレーニングと社会化によって忠実で家族思いのコンパニオンドッグになる一面も持っています。

本記事では、ピットブルの筋肉質な体の秘密から、闘犬としての歴史的背景、そして気になる寿命や健康管理まで、他のサイトにはない切り口で徹底解説します。

目次

ピットブルとは?

ピットブルの呼び名で知られる「アメリカン・ピット・ブル・テリア」は、多くの人が認識している犬種でありながら、実は日本のジャパンケネルクラブ(JKC)やアメリカのアメリカンケネルクラブ(AKC)には正式登録されていません。初めて犬種として認定したのはアメリカのユナイテッドケネルクラブ(UKC)で、日本ではNPO法人日本社会福祉愛犬協会(KCJ)が血統証の発行を行っています。

外見的特徴として最も印象的なのは、その筋肉隆々の体つきです。体高は男の子で46〜53cm、女の子で43〜50cmほどで、体重は男の子が16〜27kg、女の子が14〜23kgの中型犬に分類されます。一見すると体高は低めですが、胸幅が広く、深いため実際より大きく見える傾向があります。

被毛は短く硬さがありながらも滑らかでツヤがあり、マール以外であれば特に色や柄の規定はありません。短毛種のため特別なカットは必要ありませんが、健康的な被毛を保つために週に1回程度のブラッシングが推奨されています。

頭部の特徴としては、広い額と発達した顎、その顎よりも引っ込んだ「鼻ぺちゃ」の顔立ちが特徴的です。この低い鼻は「噛んだ状態でも呼吸するため」という説があるほど、その容姿には闘犬としての進化の過程が如実に表れています。

ピットブルがムキムキの筋肉質な理由

ピットブルの際立った筋肉質な体は偶然ではなく、数世代にわたる計画的な品種改良の結果です。その起源は18世紀から19世紀のイギリスに遡ります。当時、闘犬が盛んだった時代に、ブルドッグの力強さとテリアの俊敏性を兼ね備えた犬の需要が高まったことから始まりました。

この需要に応えるために、ブルドッグとテリア種の交配が始まり、スタッフォード・シャー・ブルテリアが誕生しました。この犬種がアメリカに持ち込まれ、さらに改良が加えられてアメリカン・ピット・ブル・テリアになったのです。闘犬において求められた特性は主に以下の5つでした:

  1. 強力な顎と咬む力
  2. 筋肉質で頑丈な体つき
  3. 高い痛みへの耐性
  4. 俊敏な動きと反射神経
  5. 闘争心と持久力

これらの特性はすべて筋肉の発達と密接に関連しています。特に注目すべきは、全体的にギュッと引き締まった体型が、単に力強さだけでなく「俊敏さや機敏さ」を感じさせる点です。これは闘犬において、力だけでなく素早い動きも重要だったことを示しています。

現代のピットブルの中には、「猛烈な訓練によって過剰に鍛え上げることで筋肉が巨大化している」個体も見られます。この事実は、ピットブルの筋肉発達の可能性の高さを示すと同時に、現代でも一部で闘犬としての能力を追求する風潮が残っていることを物語っています。

筋肉質な体は確かに闘犬としての能力を高めますが、一方で健康上のリスクも増加させる可能性があります。筋肉の過度な発達は関節への負担となり、股関節形成不全などの健康問題につながる可能性も否定できません。バランスの取れた筋肉発達を促すためには、適切な運動と栄養管理が欠かせないのです。

闘犬として生まれた背景

ピットブルの歴史は闘犬文化と切り離して語ることはできません。その起源は18世紀までは犬より大きな雄牛を襲わせる「ブル・ベイティング」という見世物に使われていた犬たちにあります。イギリスをはじめヨーロッパ各国で動物愛護法が制定されると、ブル・ベイティングは禁止されました。

しかし、闘犬はその代替として密かに行われるようになったのです

アメリカでは、1870年頃に現在のピットブルが誕生したとされています。イギリスから輸入されたスタッフォードシャー・ブルテリアに、すでに絶滅している闘犬用のブルドッグなどを交配し、独自の発展を遂げました。闘犬として作られた犬種であるため、交配相手の詳細は繁殖者にとって門外不出の秘密であり、その詳細はよくわからない点が多いという特徴があります。

1900年にアメリカ国内における闘犬は法律で禁止されましたが、実際には非合法な賭博の手段として近年まで長く続けられていました。1990年代だけでも、約1500頭ものピットブルが闘犬で命を落としたという悲しい記録も残っています。

現在、ピットブルは世界の多くの国で「危険犬種」として認識されています1。日本でも一部の地域(茨城県や佐賀県など)では「特定犬」として指定され、脱走防止のための頑丈な犬舎での飼育や標識シールの掲示が義務付けられています。

しかし、一方でピットブルは忠実で勇敢な性格を持ち、飼い主への愛情や忠誠心が深いことでも知られています。適切なトレーニングと社会化を行うことで、社交的で人懐っこく、家族との絆を大事にする犬に育つ可能性を秘めています。実際、歴史上の著名人にもピットブル愛好家は多く、発明家のトーマス・エジソン、アメリカのセオドア・ルーズベルト元大統領、ヘレン・ケラーなどがピットブルを飼っていたといわれています。

このように、闘犬としての歴史がピットブルに対する誤解や偏見を生み出す一因となっている一方で、適切な環境と訓練によって素晴らしいコンパニオンドッグとなる可能性も持ち合わせているのです。

品種改良は寿命に影響するのか?

ピットブルの平均寿命については、8〜15年前後、あるいは12〜14年程度という情報がありますが、正確な統計は取りにくい状況です。閉鎖的な闘犬の世界で多くのピットブルが命を落としていることや、公認犬種として統計が取られにくいことが、その原因として挙げられます。

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、犬の平均寿命が14.1歳であることを考えると、ピットブルの寿命は中型犬としては標準的といえるでしょう。中には16歳以上生きる個体もいます。

しかし、品種改良の歴史が寿命に与える影響については看過できない側面があります。闘犬としての能力向上のために行われた選択的育種では、健康面よりも闘争能力が優先されてきた傾向があります。特に「痛みを我慢してしまう傾向」は闘犬では有利でしたが、病気の早期発見を困難にするという欠点があります。

ピットブルが注意すべき健康上の問題としては、以下のものがあります:

  1. 尿石症:特に雄犬がかかりやすい病気で、食事のミネラルバランスや水分摂取量に注意が必要です。
  2. 皮膚病:ピットブルは皮膚が薄く弱いため、皮膚トラブルに注意が必要です。
  3. 股関節形成不全:股関節の骨の形が変形する病気で、遺伝的要因の他、肥満や激しい運動も原因となります。
  4. チェリーアイ:第三眼瞼の腫れで、ピットブルの遺伝的特性に関連している可能性があります。
  5. アレルギー性皮膚炎:食物や環境によるアレルギー反応で皮膚炎を発症することがあります。
  6. 口蓋裂:生まれつきの上顎の形成不全で、遺伝的要因が強いとされています。

闘犬としての歴史を持つピットブルにとって、筋肉質な体つきは必須の特性でした。しかし、現代のペットとしてのピットブルには、その筋肉をいかに健康的に維持するかが重要です。過度のトレーニングによる筋肉の肥大化は、関節への負担を増大させる可能性があります。バランスの取れた筋肉発達を促すためには、適切な運動量と質、栄養管理、そして定期的な健康チェックが不可欠です。

まとめ:計算された筋肉

ピットブルの筋肉質な体つきは、その闘犬としての歴史を物語っています。ブルドッグとテリアの計画的な交配から始まり、何世代にもわたる選択的育種の結果、現在のような筋肉隆々な体型が形成されました。その筋肉は「計算された」ものであり、闘犬の場で勝利するための重要な要素でした。

ピットブルの平均寿命は12〜14年程度と考えられていますが、闘犬としての歴史や非公認犬種としての位置づけから、正確な統計データは限られています。健康上の問題としては、尿石症、皮膚病、股関節形成不全などが知られていますが、適切なケアによって予防や管理が可能です。

注目すべきは、ピットブルが痛みを我慢してしまう傾向があるという点です。これは闘犬で有利な特性であった一方、ペットとして飼育する上では病気の早期発見を難しくするため、日々の健康チェックや定期的な健康診断が特に重要になります。

闘犬の歴史の中で「計算された筋肉」を持つように育種されたピットブルですが、現代の飼い主の役割は、その筋肉を健康的に維持しながら、ピットブルの忠実で愛情深い本来の性質を引き出すことにあります。歴史を理解し、正しい知識を持って接することで、ピットブルとの素晴らしい関係を築くことができるでしょう。

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