鹿の骨は犬が食べても大丈夫?歯が欠ける危険性やデメリット

鹿の骨は犬が食べても大丈夫?歯が欠ける危険性やデメリット

愛犬にご褒美やおもちゃ代わりとして「骨」を与えたいと考える飼い主さんは多いでしょう。中でも自然素材である鹿の骨は魅力的ですが、本当に犬に与えても大丈夫なのでしょうか?硬い骨を噛むことで歯が欠ける危険性や、他にどんなメリット・デメリットがあるのか気になるところです。

本記事では鹿の骨を犬に与える安全性について解説し、鹿の骨のメリット・デメリットをそれぞれまとめます。さらに、鹿の骨の代わりに安心して与えられるおもちゃ3選もご紹介します。愛犬の健康と安全のために、ぜひ参考にしてください。

目次

鹿の骨は犬が食べても大丈夫?

結論から言うと、鹿の骨自体は犬が食べることはできますが、安全に与えるには細心の注意が必要です。犬は祖先がオオカミであり、野生では獲物の骨まで噛んで食べてきた動物です。

そのため、生の骨であれば犬の強い胃酸で数時間で消化することも可能で、カルシウムなどの栄養源にもなり得ます。実際、獣医師監修の情報でも「骨を食べても問題はありません。ただし与え方や骨の種類に注意が必要」とされています。

しかし、「食べられる」ことと「安全に与えられる」ことは別問題です。鹿の骨は非常に硬く大きいため、与える場合は以下のポイントに注意してください。

  • 加熱済みの骨は避ける: 骨は加熱するとさらに硬く脆くなりがちです。鹿の骨も茹でたり焼いたりすると砕けやすく尖った破片になりやすいため危険度が増します。与えるなら生のままか、圧力鍋でホロホロになるまで柔らかく煮込んだものにしましょう。生の鹿骨は加熱骨ほど鋭く裂けず、比較的噛み砕きやすいと言われますが、それでも安全とは言い切れません
  • 犬の大きさや年齢を考慮: 小型犬や子犬、シニア犬には鹿の骨のような硬い骨は基本的に与えないほうが良いとされています。大型犬であっても、骨の部位によっては危険な場合があります。特に体の小さい犬は歯も小さく弱いため、硬い骨を噛むと歯や顎への負担が大きく危険です。
  • 必ず監視しながら与える: 鹿の骨を与える場合、目を離さずに様子を見ることが鉄則です。犬は夢中で噛んでいるうちに骨が小さくなっても気にせず、そのまま飲み込んでしまうことがあります。喉に詰まらせたり消化管を塞いでしまう恐れがあるため、飼い主さんが傍についてサイズを確認し、危険なら取り上げるようにしましょう。

鹿の骨は犬に与えて「絶対ダメ」というものではありませんが、与える際には多くの注意点があります。基本的には「犬の歯より硬いものは与えないほうが良い」と獣医師も勧めています。特に鹿の骨は非常に硬いため、リスクを十分理解した上で慎重に判断する必要があります。

鹿の骨は犬の歯が欠ける?

鹿の骨の最大のリスクの一つが、犬の歯を欠けさせてしまう可能性です。鹿の骨をはじめ、動物の骨や蹄(ひづめ)、角などは犬の歯より硬いため、噛んだ際に歯が負けて折れたり欠けたりしてしまうことがあります

特に犬の奥歯(第四前臼歯など)は噛む力が集中する歯で、硬い骨を噛みしめることでヒビが入ったり破折(はせつ)する事故が起こりがちです。実際、獣医師の報告では犬の歯が折れる原因の多くは「硬いものを噛んだこと」であり、具体的に骨や蹄、角などが挙げられています。

鹿の骨も例外ではなく、「ほとんどの犬にとって鹿の骨は硬すぎて危険。歯が欠けたり折れたりします」と指摘する声もあります。小型犬であればなおさらリスクは高く、歯が小さい分、硬い骨に耐えられず奥歯が折れる危険性が大型犬より高まるとも言われています。

一旦歯が欠けてしまうと、歯髄(神経)が露出して強い痛みを伴ったり、細菌感染で顔が腫れるなど重大なトラブルにつながります。最悪の場合、全身麻酔下での抜歯治療が必要になるケースもあります。

こうした歯の破損を防ぐために、「文房具のハサミで切れないほど硬いものは犬に与えない方が良い」というのが専門家の目安です。鹿の骨はまさにこの「犬の歯より硬いもの」に該当しますので、歯の健康を考えると基本的には与えない方が無難と言えるでしょう。

鹿の骨のメリット

それでは、あえてリスクを承知で鹿の骨を犬に与えることにはどんなメリットがあるのかも確認しておきましょう。ここからは鹿の骨を与える主なメリット3つについて説明します。

メリット1: デンタルケア(歯のケア)効果が期待できる

鹿の骨を噛むことには犬の歯の健康維持に役立つ効果が期待できます。硬い骨と歯がこすれ合うことで歯垢や歯石を物理的に削り落とし、口臭や歯周病予防につながる場合があります。歯みがきが苦手なワンちゃんでもおやつ感覚で歯の表面を綺麗にできる点は大きなメリットです。

ただし、骨を噛むだけで完璧に歯の汚れが取れるわけではありません。あくまでデンタルケアの補助効果と考え、定期的な歯みがきや獣医師による歯石除去と併用することが望ましいとされています。それでも、何もしないよりは骨を噛む習慣が歯垢の蓄積を軽減する助けになるのは嬉しいポイントでしょう。

メリット2: 栄養補給(カルシウム・ミネラル摂取)になる

鹿の骨にはカルシウムやリンをはじめとするミネラル分が豊富に含まれています。骨の内部の骨髄(マロー)にはタンパク質や脂肪なども含まれ、犬が骨を噛んで食べることでこれらの栄養素を補給することができます。特にカルシウムは骨や歯を形成する重要な栄養素であり、骨ごと食べられる鹿の骨おやつは天然のカルシウム源となります。

例えば普段の食事がドライフード中心の犬でも、たまに骨付き肉(※必ず柔らかく調理したもの)を与えると栄養バランスの強化につながる場合があります。

鹿骨は高タンパク・低脂肪な鹿肉が付いている商品も多く、シニア犬の栄養補給にも適しているとの声もあります。このように、鹿の骨は噛むオヤツでありながら栄養価も期待できる点がメリットの一つです。

メリット3: ストレス解消や顎のトレーニングになる

犬は本能的に何かを噛むことでストレスを発散する動物です。鹿の骨のようにしっかり噛みごたえのあるものを与えると、狩猟本能や「噛みたい欲求」が満たされて良いストレス解消になります。特に室内飼いで運動不足になりがちな現代の犬にとって、硬いものを夢中で噛む時間は退屈や不安の解消に役立つと言われています。

また、骨を噛むことで顎や歯の筋肉が鍛えられる効果も期待できます。適度に硬いものを噛む習慣がある犬は顎の筋力が維持され、歯や歯茎にも適度な刺激が加わります。

愛犬にとって大好きなおやつを楽しみながらストレス発散でき、さらに口の健康や筋力維持にもつながるのは鹿の骨の大きなメリットと言えるでしょう。

鹿の骨のデメリット

一方で、鹿の骨を与えることには見逃せないデメリットやリスクも多数存在します。ここからは鹿の骨を犬に与える際の主なデメリットを3つ、順番に解説します。

デメリット1: 歯が欠ける・折れるリスクが高い

前述のとおり、鹿の骨は非常に硬いため犬の歯を破損させてしまう危険性があります。実際に獣医師は「硬い骨を噛むことで歯が負けて奥歯が欠けてしまう」と警告しており、特に小型犬では奥歯の破折リスクが高まるとされています。

鹿の骨を含め骨や蹄のおやつが原因で犬の歯が折れたケースは決して珍しくなく、健康な犬でも数%は経験があるとの報告もあります。

歯が欠けたりヒビが入ったりすると、犬は強い痛みを感じるだけでなく治療にも時間と費用がかかります。放置すれば感染が進んで顎の骨に膿が溜まるケースもあり、最終的に抜歯が必要になることも少なくありません。これらの点から、鹿の骨最大のデメリットは「歯に対するリスク」が非常に高いことだと言えるでしょう。

デメリット2: 誤飲や消化器のケガにつながる危険

鹿の骨を与える際の次の大きなデメリットは、誤って飲み込んでしまう危険や、骨の破片による消化管の損傷です。犬は骨をガジガジ噛んでいるうちに、だんだん小さくなった骨をそのまま丸呑みしてしまうことがあります。飲み込める大きさでも、場合によっては喉や食道に詰まらせて窒息や閉塞を起こす可能性があります。特に興奮して丸呑みしやすい性格の子や早食いの癖がある子には要注意です。

また、飲み込んだ骨が運良く胃まで到達しても安心はできません。骨の尖った破片が内臓を傷つけるリスクもゼロではないためです。とくに鶏の骨のように縦に裂ける骨は鋭利な破片が食道や胃壁に刺さる事故が知られていますが、鹿の骨でも噛み砕く途中で鋭い断片が出る可能性はあります。

万一、骨が喉に詰まったり消化管を傷つけたりすると緊急の処置や手術が必要になる場合もあります。こうした危険を避けるため、鹿の骨を与える場合は必ず人が見ている前でのみ噛ませること、そして噛んで小さくなり飲み込みそうになったらすぐ取り上げることが鉄則です。

デメリット3: 便秘など消化不良を起こす可能性がある

鹿の骨を食べることによる消化器へのデメリットも忘れてはいけません。骨にはカルシウムが豊富に含まれるため、食べ過ぎると便が硬くなり便秘になることがあります。実際に動物病院でも「カルシウムの摂りすぎで便秘になることがあるので与えすぎに注意しましょう」と呼びかけています。鹿骨のおやつを与えた後、白くコロコロした硬い便が出る場合は骨分の過剰摂取が疑われます。

また、普段ドライフード中心で暮らしている犬にいきなり大量の骨を与えると、胃腸がびっくりして嘔吐や下痢を起こすケースもあります。骨そのものは消化可能でも、慣れていない食材を急に食べることで消化不良になることがあるのです。特に骨についている脂身や骨髄部分は一部の犬にとっては刺激が強く、下痢を誘発することも考えられます。

さらに、長期間・頻繁に骨ばかり与えているとカルシウムとリンのバランスが崩れ、栄養バランスの偏りによる健康影響も懸念されます。極端な例では、成長期に骨を過剰に与え続けると骨格の異常発育を招く恐れも指摘されています。このように鹿の骨は適量を超えると消化器や全身の健康リスクにつながる可能性がある点もデメリットと言えるでしょう。

安心して与えられるおもちゃ3選

ここまで鹿の骨の利点と欠点を見てきましたが、「それでも愛犬には硬いものを噛む楽しみを味わわせてあげたい」という飼い主さんも多いでしょう。

そこで最後に、鹿の骨の代わりに安心して与えられるおすすめの噛むおもちゃ・おやつ3選をご紹介します。いずれもAmazonや楽天市場で購入可能な商品で、鹿の骨より安全にワンちゃんの噛みたい欲求を満たせるものを選びました。

その1 コング・クラシック(ゴム製噛むおもちゃ)

定番中の定番、赤いゴム製おもちゃの「コング」です。天然ゴム素材でできており適度な弾力があるため、噛んでも歯が欠けにくく安全です。耐久性も高く、大型犬が噛んでも簡単には壊れません。中におやつやペーストを詰めて与えれば、長時間集中して噛んで遊べる知育玩具としても活躍します。

硬い骨の代わりにコングを与えることで、安全にストレス発散とデンタルケア効果を得られるでしょう。ゴム製品なので誤飲してもレントゲンに写りにくいため、必ずサイズは犬に合った大きめを選び、噛み千切った欠片は飲み込まないよう注意してください。

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その2 ナイラボーン(犬用デンタルボーン)

ナイラボーンは丈夫な特殊ナイロン素材でできた骨型のデンタルおもちゃです。見た目は骨そっくりですが食べ物ではなく玩具で、噛むと表面が少しずつ毛羽立って歯垢をこすり落とす効果があります。

香料でフレーバー(ベーコン味など)が付いている製品も多く、犬が興味を持って長時間カミカミしやすいのも特徴です。硬すぎない素材で作られているため歯へのダメージが少なく、安全に「噛む欲求」を満たすことができます。

鹿の骨のように割れたりささったりする心配が少ない点で、安心できる選択肢です。サイズ展開も豊富なので、愛犬の大きさ・噛む力に合ったものを選びましょう。

その3 無添加の鹿アキレスガム(天然ハードおやつ)

「どうしても食べられるものを…」という場合には、鹿の骨そのものではなく鹿のアキレス(腿の腱)を乾燥させたガムがおすすめです。鹿アキレスは高タンパク・低脂質でヘルシーな天然素材のおやつで、硬すぎず適度な弾力があるため長時間噛んでも歯を傷めにくいのが利点です。

噛んでいくと繊維状にほぐれていくため、骨のように鋭利な破片が出る心配もほとんどありません。それでいてしっかり噛み応えがあるのでストレス解消や歯垢除去効果も期待できます。

鹿肉の旨味が染み込んでいるので嗜好性も高く、食いつき抜群です。市販品を選ぶ際は添加物不使用・国産のものだとより安心でしょう。鹿アキレスは鹿の骨のデメリットを補いつつメリットを享受できる代替品と言えます。

まとめ:時間をかけてあげたほうがいい

鹿の骨は犬にとって噛みごたえのある魅力的なおやつですが、安易に与えるのはリスクが伴うことがお分かりいただけたと思います。与える場合は「焦らず時間をかけて噛ませる」こと、つまり愛犬がゆっくり安全に味わえるよう配慮することが大切です。

具体的には、犬の口より大きめサイズの骨を選び、噛んで小さくなったら早めに取り上げる・必要に応じて飼い主が反対側を持って食べさせるなどして丸呑み事故を防ぎましょう。また、一度に長時間噛み続けさせると歯に負担がかかるため、10~20分程度を目安に適度に切り上げることもポイントです。

もし鹿の骨を与えていて「歯茎から出血している」「歯が欠けたかもしれない」「吐き出そうとせず飲み込んでしまった」などの異変に気づいたら、速やかに中止して様子を観察してください。必要であれば動物病院で相談・処置を受けましょう。

総合的に見て、鹿の骨は与え方次第でメリットも得られますが、デメリットや事故のリスクも大きいものです。無理に与えなくても、今回紹介したような安全なおもちゃやガムで代用できます。愛犬の健康と安全を第一に考え、時間と手間を惜しまず適切に対応してあげることが飼い主さんに求められます。

しっかり時間をかけて見守りつつ、愛犬が楽しく安全にカミカミできる方法を選んであげてください。それが結果的に、愛犬の幸せと長生きにつながるはずです。

鹿の骨は犬が食べても大丈夫?歯が欠ける危険性やデメリット

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