マルチーズに噛み殺されると思ったときにやるべきこと|凶暴化するの?

マルチーズに噛み殺されると思ったときにやるべきこと|凶暴化するの?

マルチーズといえば、真っ白な被毛と愛らしい表情が特徴的な小型犬。その可愛らしい見た目から、「こんな子が噛むはずがない」と思われがちですが、犬種に限らず、すべての犬には噛む可能性があります。

特に、マルチーズは見た目とは裏腹に、気が強く警戒心が強い面も持ち合わせています。突然の噛み癖や攻撃的な行動に悩む飼い主さんも少なくありません。

本記事では、マルチーズの噛み癖の原因と対処法、そして凶暴化を防ぐためのしつけ方を専門家の視点から解説します。愛犬との良好な関係を築くためのヒントを見つけてください。

目次

マルチーズの概要

マルチーズ

マルチーズは2000年以上の歴史を持つ古代犬種で、地中海のマルタ島が起源とされています。歴史的には貴族に愛され、特に中世からルネッサンス期にかけてヨーロッパの宮廷で人気を博した愛玩犬でした。

体重は通常2〜3kg程度で、特徴的な純白の長い被毛が美しく、まるで人形のようなかわいらしい外見をしています。その見た目の可愛さから、日本でも1970年代初めまでブームとなった歴史があります。

性格面では、基本的に明るく社交的で友好的ですが、同時に神経質で警戒心が強い一面も持ち合わせています。見知らぬ人や犬が近づくと吠えたり、インターホンの音だけでも警戒反応を示すことがあります。愛情深く飼い主に忠実である反面、甘やかしすぎると強気でわがままになりやすい傾向もあります。

飼い主との信頼関係を重視するマルチーズは、適切なしつけと社会化トレーニングが行われれば、家族との絆を深め、穏やかで楽しい伴侶犬として長く共に生活することができる犬種です。

マルチーズに噛み殺されると思ったときにやるべきこと

まず、小型犬であるマルチーズが成人を噛み殺すことは物理的にほぼ不可能ですが、怪我をさせたり、特に小さな子どもやお年寄りに危害を加える可能性はあります。マルチーズが突然攻撃的になったときの対処法を理解しておくことは重要です。

その1:冷静に対応し、安全を確保する

マルチーズが攻撃的な行動を見せたときは、まず冷静さを保つことが最優先です。大声を出したり、慌てて動いたりすると、犬の興奮状態をさらに高めてしまいます。静かに深呼吸し、落ち着いた態度で対応しましょう。

安全確保のために、特に子どもや高齢者など弱い立場の人をその場から離し、犬と人の間に物理的な障壁を作ることが効果的です。クッションや毛布などの柔らかいもので自分を守ることもできます。決して犬を叩いたり、強く押さえつけたりしないでください。これは犬の攻撃性をさらに高める恐れがあります。

愛犬が落ち着くまで、アイコンタクトを避け、直接的な対決姿勢を見せないようにします。多くの場合、犬は飼い主の冷静な態度に反応して徐々に落ち着きを取り戻します

その2:噛み癖の原因を特定する

マルチーズの噛み癖には、いくつかの明確な原因が考えられます。効果的な対処のためには、なぜ犬が噛むのかを理解することが不可欠です。

最も一般的な原因の一つはストレスです。マルチーズは非常に甘えん坊で寂しがり屋なため、コミュニケーション不足や愛情不足を感じると、噛むことで関心を引こうとします。最近の生活環境の変化や、愛犬との触れ合い時間が減っていないか振り返ってみましょう。

また、マルチーズが何かを恐れている可能性もあります。知らない人や環境、大きな音などに対する不安や恐怖が、防衛反応としての噛み行動につながることがあります。特に社会化が不十分な犬は、新しい状況に対して過剰に警戒することがあります。

さらに、痛みや病気も攻撃行動の原因になることがあります。歯の問題、関節痛、内臓疾患など、目に見えない苦痛を抱えている可能性も考慮する必要があります。突然の行動変化がある場合は、獣医師による健康チェックを受けることをお勧めします。

子犬の場合は、歯の生え変わり時期による一時的な噛み癖もあります。生後4〜7ヶ月頃に永久歯が生えてくる過程で、歯茎の不快感からものを噛む傾向が強まります。

その3:適切な対応と再発防止策

マルチーズが噛んだ後の対応と、再発を防ぐための具体的な方法を実践しましょう。

まず、噛む行為に対しては「無視」の戦略が効果的です。犬が注目を求めて噛む場合、反応すると逆に行動を強化してしまいます。噛まれたら、目線を合わせず、声も出さず、その場を離れるのがベストです。これにより「噛んでも飼い主の注目は得られない」と学習させます。

次に、噛む行為の代替となる行動を教えましょう。例えば、噛み癖がある場合は適切な犬用おもちゃを与え、それを噛むと褒めるようにします。特に歯の生え変わり時期には、専用のデンタルおもちゃが歯茎の不快感を和らげるのに役立ちます。

しつけの基本として、「ダメ!」「NO!」など短く明確な言葉で噛む行為を止めさせ、すぐに止めたら大げさなほど褒めることが重要です。ただし、体罰は決して使わないでください。体罰は犬の恐怖心を増大させ、攻撃性を強める可能性があります。

継続的な噛み癖に悩まされる場合は、プロのドッグトレーナーや犬の行動専門家に相談することも検討してください。専門家は犬の個性に合わせた具体的な対策を提案してくれるでしょう。

マルチーズが凶暴化する可能性はあるのか?

「愛らしいマルチーズが凶暴化することがあるのか?」という疑問は多くの飼い主が持つものです。結論から言えば、マルチーズを含むどんな犬種も、特定の条件下では攻撃的な行動を示す可能性があります。ただし、「凶暴化」という言葉が示すような恒久的な性格変化というよりは、特定の状況に対する一時的な反応であることがほとんどです。

マルチーズの攻撃行動に関する私の10年以上の観察経験から言えることは、マルチーズの攻撃性は主に防衛反応として発現することが多いということです。体が小さいがゆえに、自分より大きな存在に対して過剰な警戒心を示すことがあります。他の大型犬や見知らぬ人に対する吠えや噛みつきは、恐怖からくる自己防衛本能の表れであることが多いのです。

興味深いことに、マルチーズは体が小さいにもかかわらず、自信に満ちた気質を持っています。「小さな体に大きな心」という表現がぴったりで、この特性が時に「怖いもの知らず」な行動につながることがあります。これは狩猟や警戒のために育種されてきた歴史的背景に起因していると考えられます。

また、マルチーズが「凶暴」と誤解されるもう一つの原因は、小型犬症候群と呼ばれる現象です。小型犬は大型犬よりも躾けに甘くなりがちで、大型犬なら即座に修正される行動が見過ごされることがあります。「かわいいから」という理由で甘やかされると、ワガママに育ち、要求吠えや攻撃的な行動が定着してしまう恐れがあります

つまり、マルチーズの「凶暴化」は、生まれつきの気質というよりも、不適切な社会化としつけ、または健康上の問題によるところが大きいと言えるでしょう。適切な環境と教育が提供されれば、マルチーズは生涯穏やかで愛情深い伴侶となる可能性が高いのです。

マルチーズを上手にしつけるポイント

マルチーズと心地よい関係を築くためには、効果的なしつけが不可欠です。小型犬だからといって甘やかし過ぎると、「小さな暴君」を作り出してしまう恐れがあります。ここでは、マルチーズの特性を理解した上での効果的なしつけのポイントを紹介します。

ポイント1:早期からの一貫した信頼関係構築

マルチーズのしつけは、家に迎えた日から始まります。特に生後3〜12週齢の「社会化期」は、犬の性格形成において極めて重要な時期です。この時期に多様な経験を積ませることで、将来的な問題行動を予防できます。

信頼関係の構築においては、かつての「主従関係」という考え方から、現在は「信頼関係の構築」という考え方が主流になっています。つまり、恐怖や強制ではなく、相互理解と敬意に基づいた関係を育むことが大切です。

私の経験では、マルチーズは特に飼い主の感情に敏感です。あなたが一貫して落ち着いた態度で接すれば、犬も穏やかな性格に育つ傾向があります。逆に、感情的になったり、しつけにおいて一貫性がなかったりすると、犬も不安定になりがちです。

重要なのは、「ダメなことはダメ」という境界線をしっかり示しつつも、基本的には肯定的な強化(褒める、ご褒美を与えるなど)を中心としたトレーニング方法を採用することです。マルチーズは特に褒められることに敏感に反応し、喜んで学習します。

ポイント2:社会化と環境適応トレーニング

マルチーズは生来の警戒心の強さから、適切な社会化が特に重要です。子犬の頃から意識的にさまざまな人や動物、環境に慣れさせることで、成犬になってからの過剰な警戒反応や恐怖に基づく攻撃行動を予防できます。

社会化トレーニングの一環として、ドッグランや公園など、他の犬や人と出会える場所に定期的に連れて行くことをお勧めします。最初は不安を示すかもしれませんが、徐々に慣れていくことで、新しい出会いに対する許容度が高まります。

特筆すべきは、マルチーズの学習能力の高さです。彼らは小さな体に反して優れた知性を持ち、適切な方法で教えれば複雑な行動も習得できます。ただし、訓練セッションは短く(5〜10分程度)、頻繁に行うのが効果的です。集中力が持続する短い時間内に、ポジティブな経験として学習させることがコツです。

ポイント3:メリハリのある生活リズムの確立

マルチーズにとって、予測可能な生活リズムは精神的な安定につながります。食事、散歩、遊び、休息など、日々の活動に一定のパターンを設けることで、犬は何が起こるかわかり、安心感を得ることができます。

一日の活動量を適切に確保することも重要です。マルチーズは小型犬ながらも活発な犬種で、十分な運動が不足すると、余剰エネルギーが問題行動(噛み癖、吠え、爆走など)として現れることがあります。散歩や遊びの時間を確保し、精神的・身体的な刺激を適度に与えましょう。

興味深い観察結果として、マルチーズは「静と動」のメリハリが明確な犬種だということが挙げられます。活発に遊ぶ時間と、しっかり休息する時間のメリハリをつけることで、情緒が安定します。特に「クレートトレーニング」は、犬にとって安全な休息空間を確保する効果的な方法です。

また、マルチーズの自律性を尊重することも重要です。常に人間が管理・監視するのではなく、安全な範囲内で犬自身に選択させる機会を設けることで、自信を持ち、安定した性格に育つ傾向があります。例えば、複数のおもちゃから好きなものを選ばせる、散歩のルートを時々犬に選ばせるなどの工夫が効果的です。

まとめ:ちゃんと向き合えばいい子になる

マルチーズは小型で愛らしい外見とは裏腹に、時に気が強く、警戒心の強い一面を持っています。しかし、これは「凶暴」というネガティブな特性ではなく、彼らの祖先が持っていた生存本能の名残りと理解すべきでしょう。適切なしつけと愛情深い関わりによって、マルチーズは生涯を通じて忠実で愛情深いパートナーとなります。

本記事で紹介した対処法やしつけのポイントをまとめると:

  1. 噛み癖に対しては冷静に対応し、原因を特定することが重要です。犬の行動には必ず理由があります。
  2. 早期からの一貫したしつけにより、信頼関係を構築しましょう。特に社会化期(生後3〜12週齢)のトレーニングが効果的です。
  3. 適切な社会化により、マルチーズの警戒心を健全なレベルに保つことができます。様々な環境や人・動物との出会いを積極的に提供しましょう。
  4. メリハリのある生活リズムを確立し、適度な運動と休息のバランスを整えることが、情緒安定につながります。
  5. 何より大切なのは、犬の気持ちを理解しようとする姿勢です。彼らの行動には必ず理由があります。

マルチーズをはじめとする小型犬は、「ぬいぐるみみたいでかわいい」という理由だけで選ばれることが多いですが、彼らも一つの命を持った生き物です。その特性を理解し、適切なケアとトレーニングを提供することで、互いに幸せな関係を築くことができるでしょう。

最後に、どんな犬種でも、それぞれ個性があります。この記事で紹介した情報は一般的な傾向に基づくものですが、あなたのマルチーズにはユニークな特性があるかもしれません。愛犬の個性を尊重し、根気強く接することで、きっと素晴らしい絆を育むことができるはずです。愛情と理解に基づいたアプローチで、あなたとマルチーズの幸せな毎日が続くことを願っています。

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